CAMP HAKONEの練習機、カングー。こんなに走ってくれて荷物が思いっきり積めて天井が高くてバンザイの伸びもできるイイコのカングー1。車両代の元が何回取れただろう。ほくほく顔で移動と荷物の運搬に供していたのだが、流石に製造から14年も経つと電気系にほころびが。オーディオのパネルランプが点いたり消えたりでアウト。ステアリングのリモートも効かない。かと思いきや半年後に自然治癒。でもまだ完璧でもない。たまに消える。原因をご存じの方、情報求む。
そんなこんなのある日、1(最弱)~4(最強)の段階があるブロア(送風)の1と4が稼働しなくなった。2と3があればいいや、と、思っていた。それから1ヶ月ほど経った日曜の早朝の朝焼けの中、たまプラーザへ出発~。
冷えた排気管から吐き出される白い水蒸気の帯を引いて滑るように誰もいない733号線を134号線方面に下る。函嶺白百合学園とケーブルカー軌道に挟まれた坂道を一直線に下る。強羅駅を過ぎてクランクするわかりにくい733号線が終わる頃、道路拡幅工事の誘導員が待ち構える。雪でも24時間ご苦労様。この峠から宮城野の街の明かりが見える。葉が落ちているからこその貴重な風景。早川の渓谷と並んで走る木賀のワインディングをひらりひらりと抜けて、宮ノ下の直前のセブンイレブンでおにぎりを2個補給。すぐのT字路で1号線に合流。富士屋ホテルにまだ人影はない。カングーはするすると軽快に加速して大平台を通過。調子いいなー。春が来たら夏に備えてオイル交換してやらねば。
あれ?なんか寒くない?秋元さんの門をすぎる頃に異変に気づいた。あれ?ブロア・ファンが全部ダメだ。隣のエアコンスイッチもいじるが関係無さそうだ。メーデー、メーデー、緊急事態発生。不時着か墜落か!? いや、クルマなので墜落はしない。
まぁ、時間も無いし、このまま行くしかない。まだ軽い気持ちでいた。この時点では。塔ノ沢を過ぎて函嶺洞門に見送られ、シーンと静まり返る湯本商店街を音もなく抜ける。箱根湯本駅前を通過。もうすっかりあたりは明るくなっている。そしてそのまま西湘バイパスへと滑り込んだ。
寒い。足元が特に。寒さに弱い俺はリア・シートに放り込んであったネイビーのダウン・コートを下半身に巻いた。いくぶん寒さが和らぐ。R129を北上して平塚から伊勢原を抜ける頃にはヤバイくらい冷えてきた。座ったままなので体の芯から冷えてきた。お腹が下ったら最悪。急いで機内常備のホカロンを3個開封してヒートテックのお腹に1枚貼り、パンツの両ポケに1枚ずつ押し込んだ。それからは手先も冷えてきたので軍手か作業用皮手袋をしようかと思ったが取り出すのが面倒なので袖を引っ張って手の甲に被せて我慢してひたすら目的地を目指す。いやー、ブロア・ファンがダメだとこんなに寒いの?旧車なら走行風でエンジンの熱が室内に入って来そうなものなんだが…。R246に合流してひた走って無事到着。いやいや参った。
早速ネットで故障原因を探る。みなさんも同様の故障をしてる。今回はトルクスレンチなどの工具は積んできてないし、バラしても交換パーツがないし、お店広げた状態で帰投するためにいったん戻すのも非効率。なので帰投してから作業することにした。
天気予報では帰投する日は運悪くまた雪。最悪の状況を避けるためにカセット・ストーブをAmazonで購入した。信頼の日本製だ。CB缶と呼ばれる最も一般的なカセットコンロ用ボンベを使用する。3本298円とかで売ってるアレだ。
助手席足元に置こうと思ったが上方に熱が昇ってグローブ・ボックスがヤバそうなのでリア・シートに固定した。センターのシート・ベルトをストーブのハンドルに通してやるとバッチリ。
最高出力900Wもあるのでちょっとした電気ストーブ並だ。全開で2時間持つ。エコ・モードで4時間。
ってゆーか、そもそも機内でストーブ焚いちゃだめだぞ。良い子は真似しちゃいかん。こういう緊急時のみだ。緊急時とは言え、きちんとした知識がないと死亡に至ることがあるので、要注意。火事も危ないが、一酸化炭素中毒が最も危険。窓は必ず(できれば両サイド)を少し開けておく。これはマスト。換気しないと本当に死ぬ。
この製品は一酸化炭素中毒にならないよう不完全燃焼防止装置ほか、転倒時消火装置、立ち消え安全装置、圧力感知安全装置などを装備しているが、過信は禁物である。
帰投当日は天気予報は外れて思いの外暖かい。とは言え21時にもなるとそこそこ冷えてきたので出発してから20分ほど焚いてみた。途中で消火したが予熱でそのあとも快適。伊勢原で再度点火して西湘バイパスのサービス・エリアで再び消火。あとはそのまま無事帰投。
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翌日早速原因究明に入る。原因はたぶんレジスター。レジスターは風量を可変させるための抵抗器。修理はできない(分解すればできるけど)ので部品交換になる。その前に他の原因を潰しておく。
まず、エアコンのコントロール・パネル裏のコネクタ焼損のチェック。ここのトルクスネジを左右1本ずつ外すとシガーライターのあるカバーが外れる。
するとまたトルクスネジが現れるので左右2本ずつ外す。
中が見やすいようにオーディオ・ユニットを抜いておく。これは特に抜かなくても良いよ。
ほら、中が見えるので、繋がっている操作ケーブルをうまく躱(かわ)してパネルを引き出す。無理に引っ張ると操作レバーが折れるので焦らず慎重に。
コントロール・パネル右にあるコネクタを抜くと…。
問題なし。きれい。
念のため、CRCの接点復活スプレーをひと吹き。
元に戻してから、あ、パネル裏の基盤の断線を確認するの忘れた! と、気づいたけど、面倒だし、コネクタもキレイなので負荷が掛かっていないと判断し、後回しw
スカットル部にある核心に迫る。ワイパーを取り外してスカットル・カバー的なものも取り去る。現代車って、かんたんに組み立てられるようになってる分、分解も驚くほど楽ちんだね。旧車はバラすと元通りにならないことも多いw
ブロア・ファンのコントロール・ケーブルのコネクタも問題なし。こっちはメス。
そしてオス。ここも接点復活スプレーを吹いておく。
いよいよ核心。真犯人に迫る。ブロア・ファン・ユニットに挿さるレジスターを外してみると…。あらー!!! この時点でアウトだろう、的な。
なんか綿埃と言うか大変なコトになってる。
これ…(;´・ω・)
なんかよくわからないすごいことに。
見てはいけないものを見てしまったような。
そしてハンダに亀裂が(*゚Д゚*)
レジスターの電源ケーブルがブロア・ファンにが繋がっているので、いったんブロア・ファン・ユニットをまるごと外す必要がある。6mmの六角アタマのタッピングネジを4本外すとブロア・ファン・ユニットが外せるのだが左奥のネジがちと外しにくい。ここも焦らずにチマチマとラチェットレンチを回す。外したネジを向こう側に落とさないようにしないとまた仕事が増える。
ネジが外れるとブロア・ファン・ユニット自体がグラグラとフリーになるのだがハウジングの下端の受けに嵌っているのでソコをうまい角度にしてやればあっさり抜ける。急に外れたのでどうやったのかはわからんw
この一番下に生えてるやつが受け。
レジスターにはエアコン・スイッチのコネクターも接続されてたのでこれも外しておく。
ンで、患部摘出完了。
これがレジスター。
Valeo製だ。
早速、ebayで購入。到着まで3週間。待ちますぜ。
これ交換して、ホントに直るのかな。いや、直らんと困る!
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