2019/10/04

ナラ枯れとの戦い 初期被害木を救う方法



ナラ枯れについて、各県で防除マニュアルが作成されていてネットに多数がアップされている。ナラ枯れの仕組み、防除と被害木の処理方法が詳細に書かれている。しかし、どれも同じ情報。被害を受けたばかりのまだ軽症の樹木を助ける方法がどこにも書いてないよ。やられたら諦めろってか⁉︎

幹の周囲の笹を刈って薬剤を散布しやすくする。
冗談じゃない。俺はこの木たちが好きでここに移住してきた。しかも、俺たちが勝手にここに決めたもンだから90本からの木たちを伐採抜根してしまった。それだけでも後ろめたいのに、残された木たちをみすみす見殺しにできるわけがない。だから出来るだけの事はしてみる。

被害を見つけたその日のうちに常備してた家庭用殺虫剤をこれでもかってくらい噴霧してやった。土日が箱根フェスの仕事なので今のうちにやっておかねばならないと言う焦りがあったし。その晩に調べてみたら家庭用殺虫剤のピレスロイド系は残存効果が無く、数時間で無害になる人に優しい成分だと言う!はぁ???それじゃ土日のうちにもっと被害が増すではないか!     

県の機関あちこちに相談するも、そこここの専任担当者よりも俺の方が全然詳しい。訊きまくっても時間の無駄でストレスが増すだけなのでやめた。やっぱり自分の敷地に対象木があって、近隣の被害状況を実際に体感しながら焦り、対処しようとしている人間とは必死さが違うから仕方ない。

幹の周りがクリアだと被害もすぐに確認できる。
俺が決めた対処方法は早急にスミパイン乳剤を散布するコト。近隣の被害木から大量のフラスが出ているのを見ているし、気候もまだ暖かいから羽化するのもいてガンガン攻撃されそうだから。9月は幹の中での活動期と言うことで来ないはずなのにこのように10月になって攻撃されたからな。まずオスが穿入して集合フェロモンを出し、数百数千のメスオスが集中して攻撃してくるマスアタックに晒されたらもうどうしようもない。  

俺の対処方法は、薬剤を攻撃された部位に集中的に散布する。そして地際全周を厚めに散布してから、樹上5~6m程度まで満遍なく散布。そして攻撃された部位を覆うようにタオルを当ててピンで留める。そこに薬剤を散布してびしゃびしゃにし、サランラップでタオルごと幹をグルグル巻きにして2週間放置で、薬剤が乾かないようにたまにチョークポンプで薬剤を追加してやる湿布方法だ。薬剤のガスが穿入穴に満ちて効果があるはず。ちなみに燻蒸のNCSカーバム剤は生存木にやると強すぎて枯れてしまうのでNGとの事。
通路も作っておけばより確認しに行きやすい。


考えた対処方はバッチリなのだが、薬剤の噴霧は成虫が羽化する5月中旬前のGWあたりで良いと言うコトだったので油断してまだ買っていなかったのである。急いでネットショッピング全部確認するもどこもすぐに来ない!多少高くてもいいや、と、農協各地に電話するも注文で1週間かかると言う。メーカーのレインボー薬品も出荷は10リットルか500mlの20本単位だと言うし…。小田原か御殿場にも卸している店はないと言う。はぁ〜、俺の悪いトコロ。後手後手になる悪い癖。どうせ使うンだから買っておけばよかった。後悔後に立たずばっかり。この数日の違いで大切な木を失うコトになってしまう…。  

ン⁉︎('-'。)  そう言えば、司令官が園芸で使っていたスミチオンがあったな。同じMEP剤で有機リン系だし。でもなぜかカシノナガキクイムシに効くとは書いてない。古くからある薬剤だから試験されてないのかな?でもカメムシにも効くなら絶対に効くはず。安全データシート(SDS)によれば、化学名または一般名O,O-ジメチル-O-(3-メチル-4-ニトロフェニル) チオホスフェート (一般名:フェニトロチオン、MEP)!なんだ、同じじゃん!高いスミパイン3本も買っちゃったヨ。スミパインの方が樹皮に染み込んで残存効果があるとの事で林業向きとの事なんだけど、本当に詳しい人、このあたり何が本当なのか教えてくださいな。

んで、スミチオン、司令官がもう無いと言うが、ダンボールゴソゴソ探したら2本もあったし!スミパインが来るまでスミチオンで対処だ。野菜などは1,000〜2,000倍だが、300倍でやる。


まずは、穿入されたカシナガの穴に噴霧したいのだがミズナラの樹皮が粗いから小さな穴が全くわからん。なので噴霧機ノズルを被害部全域にわたって密着させてどこだかわからない穿入穴に薬剤のミスト押し込んでやる。ただ、運良く成虫や幼虫を殺せても、木を枯らす原因であるカシナガが持ち運んでいる原因菌を殺菌しなくてはならない。そこで、殺菌剤のダコニールもミックス。さらに付きが良いように展着剤のダインも投入した。



居住棟に近い1本もまだ被害を受けていなかったが、念のために笹を刈って通路を作り、幹の周囲も綺麗に刈ってやった。
赤矢印が守るべきまだ未被害のミズナラ。

これ6回分ほど刈った。











翌日、執拗に集中散布した被害箇所を確認するとフラスが全く出ていない。と、言うことは、殺虫に成功したのである。また、新たに飛来したカシナガも防いだということだ。ヨシ!٩( ᐛ )و✨

タオルを貼ってサランラップを巻く湿布法は今回は不要のようである。

ガレージ前の樹齢100年以上の2本も予防のために満遍なく散布した。

そうこうするうちにYahoo!ショッピングで注文したスミパインが到着した。これは来年用だな。

しかし、スミパインは3週間で効果が消えるそうな。と、言うことは、5月初旬から2週間毎に10月末まで散布しないとならない、のか…。うーん、ということは、ワンシーズンに12回も散布かぁ…。それは現実的に無理。やはり、景観が悪くなってしまうが、ビニールシートでラッピングする方向だな。5年程度ラッピングしてカシノナガキクイムシ惨禍が過ぎ去るまで待つしかない。

あれ?買っちゃったスミパイン3本、どうする⁉





2019/10/02

訃報! ついに当CAMPのミズナラ2本が被弾…。


すでに10月なのに! まだまだカシノナガキクイムシの攻撃は止まない。

全国で猛威を振るうナラ枯れ現象。日本の里山が全滅⁉

カシノナガキクイムシ、体長5mmの甲虫。0.3mmのシャーペンの芯みたいなちっこい虫が穿入して出すフラスと呼ばれる白い木の粉が証拠だ。

こいつが持ち運ぶ菌を栽培して木のセルロースを食料に換えて幼虫に与える。その菌が木の水を吸い上げる管を詰まらせてひと夏に一気に枯らしてしまう恐ろしい甲虫だ。一夫一婦制で子供を育てる賢い虫なのだが翌春に1本の木から数万匹が脱出してまた多くの木を枯らしてしまう。


白神山地も全滅するのか…。NHK秋田のニュース映像をぜひ観てほしい。森が再生するまで50年はかかる。絶対ヤバいって!
https://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/20190925/6010004924.html



当CAMPのナラ枯れ被害は谷底から生える1本だけだった。しかし、近隣の被害は相当数の本数におよぶ。

当CAMP内のカシナガ被害を受ける樹種の健康木は6本程度あるミズナラである。樹齢50~100年ほどの大径木で、敷地内に彩りを添える大切な木だ。

9月時点で、レインボー薬品さん曰く、この時期は樹内での活動期なので、薬剤を散布するのは来年5月中旬でよいが、念のため確認を続ける方が良いとのことだった。カシノナガキクイムシのマスアタックを警戒して数日ごとにパトロールしていた。




今日、ふと谷の脇にあるミズナラに呼ばれた気がして熊笹を分け入って確認しに行くと、フラスを発見したのであった。

マジか!もう10月だぜ。今年も台風のせいで天候不順だったし、暖かくてまだセミが鳴いてたりしたからか…。

















手持ちの殺虫剤を吹き付けるとゴソゴソとちーっこい虫が出てきた。これがカシノナガキクイムシである。写真はすぐに隠れられてしまったが。家庭用のピレスロイド系殺虫剤では効かないようだ。


くっそー! 絶対に守ってやる! 俺はやられると一気に熱くなって徹底的に戦うタイプなのである。まだ軽症なので、絶対に枯らさないぞ!

んで、スミパイン乳剤を入手したいのだが、すぐ来るアマゾンもヨドバシも扱ってないのねщ(゚ ロ゚щ)  Yahoo!ショッピングも楽天も、日数待てば買えるので早めに買っておけばよかった…という、後悔…。

ホームセンターも農協も森林組合も電話かけまくったが知らない薬…。

メーカーさんに、明日・明後日に作業できるように、すぐ買いに行ける小田原か御殿場に置いてある店があるか問い合わせ中。






ガレージ前のこの木は、どうだろ、樹齢100年くらいかな…。

絶対に守る!