2021/03/25

箱根湯本駅前通り 渋滞解消の決め手、 「押しボタン式信号機の設置」


年間2,150万人が訪れる日本一の観光地、箱根町が抱える問題のひとつが渋滞。観光客の不満点の第1位である。特に、箱根湯本駅前の国道1号線の大渋滞はひどいもの。ハイシーズンは小田原の鈴廣かまぼこ本店前あたりから延々と車列が続いており、早朝に家を出てきたのにここで2時間は足止めを食ってしまう。小田原厚木道路、西湘バイパス、下道1号線の3路線が1車線道路に合流するので、当然といえば当然のメカニズム。元箱根への箱根新道もあるが、同様に1車線であり、駅前通りを迂回するクルマでオーバーフローして渋滞が発生している。旧道に入ろうにも旧道に辿り着くまでが大渋滞で入れない。



なぜ箱根湯本駅前通りばかりが混むのか。つまらない新道、地味な旧道よりも、箱根湯本駅前の1号線の方が情緒があって人気があるから迂回せずに並ぶンだな。やっぱり箱根に来たからには、箱根湯本駅の特徴あるかまぼこアーチの建物を観て、観光客で賑わう商店街でテンション上げて、函嶺洞門横を通って歴史ある旅館群を抜けて、登山電車をチラ見し、富士屋ホテルを観たいもんなぁ。


箱根町に向かう方向だけではない。箱根の山を下って東京方面に向かう1号線も朝から渋滞が始まっている。観光客のチェックアウト渋滞である。昼くらいからは、早めに帰宅する観光客も合流し、週末やハイシーズンの渋滞の最後尾は大平台~宮ノ下、いや、その先の木賀や小涌谷までとなり、解消されるのは20:00過ぎである。



これらの渋滞で観光客の観光スケジュールが圧迫を受け、時間内に行く予定だった目的地の数や滞在時間が減って満足度も低下し、土産物店、飲食店、観光施設や乗り物などがビジネスの機会損失を被っている。


公共交通機関である路線バスの運行が1~2時間も遅れるなど、一般ではあり得ない事故レベルの事象が普通に起きている。バスも乗用車も渋滞でトイレに行けずにヒヤヒヤしている人たちもいてこれは本当に深刻なのである。塔ノ澤の公衆トイレまで走っている人を何度も見かけている。

渋滞に悩まされているのは観光客だけではない。宅配便のトラック、町民の日常の買い物や送迎、箱根町で働く多くの人の出勤・帰宅もすべてが大きな影響を受けているのである。また、アイドリングの排気ガスによる環境破壊も見過ごせない。



箱根町へ移住するに当たり、土地探しから住居建設まで3年間ほど横浜から通ったときにこのひどい渋滞を身をもって体験した。本当に困った。渋滞がなければとっくに横浜の家に着いているのにまだ大平台と塔ノ澤の間だった。そして、強羅に移住して4年近く、毎日のようにこの道を仕事とプライベートで通っており、引き続き今も渋滞に悩まされている。


核心のハナシになるが、渋滞の先頭は、上り下りともに、滝通り入口と、セブンイレブン箱根湯本駅前店前の2つの横断歩道である。歩行者が際限なく渡り続けており、クルマの流れを止めている。歩行者が横断歩道のところに立つと、クルマは一時停止。渡り終える頃に、近くの歩道にいた他の歩行者がクルマが停まっているうちに、と足早に横断歩道へ。それを見たまた別の歩行者が横断歩道へ、の、繰り返しである。上り下りのクルマはずーっと停止したままだ。現場に行けば一目瞭然である。渋滞の元凶であることは確定的事実である。

セブン-イレブン箱根湯本駅前店前の横断歩道
(進行方向:塔ノ澤方面)

滝通り入口の横断歩道
(進行方向:塔ノ澤方面)


下記のGoogleマップは、青丸で囲んだ信号機の無い2つの横断歩道が渋滞の先頭であることを立証している。新型コロナの緊急事態宣言下にもかかわらず、だ。
箱根湯本駅前通り 渋滞状況
箱根湯本駅前通り 渋滞状況 3月14日(日)14:36


白バイがセブン-イレブン横の路地に隠れて一時停止しないクルマを次々と検挙しているので、余計にクルマも慎重になり、歩行者が横断歩道付近の歩道を歩いているだけでも全車が一時停止している。また、横断歩道近くで渡る気もなく立ち話しているカップルをみて、上り下りの全車が次々と一時停止して流れを止めている時もある。

ここで取り締まりをしている白バイ隊員にもインタビューしたが、この横断歩道が渋滞の原因であることは否定していなかった。

この2か所の横断歩道に、押しボタン式信号機の設置をすることが、渋滞解消の大きな決め手であることは明白である。


滝通り入口 横断歩道
滝通り入口の横断歩道
(進行方向:小田原方向)

 











(滝通り方面から出てくるクルマは今まで通りの一時停止で良く、一方通行にしてしまうと困る事業者が多すぎて現実的ではない。)

(滝通り入口の横断歩道は廃止し、セブンイレブン箱根湯本駅前店前の横断歩道のみとする考えもあるが、無理に横断する歩行者の事故が発生すると思われるので2か所のままで良いと思う。週末やハイシーズンの小田原方面への帰宅渋滞では三枚橋の信号も原因となっているが、その先のバイパスとの分かれ道までは1車線でクルマの絶対数が多いことが原因なので別の対処が必要かと。)

セブン-イレブン箱根湯本駅前通店前 横断歩道
セブン-イレブン箱根湯本駅前通店前の横断歩道
(進行方向:小田原方面)

この2か所に信号機を設置して渋滞が解消されることでどんなデメリットがあるのだろうか。長年このままの状態になっているのが不思議だったのだが、小田原警察は、渋滞していたほうが交通事故が少ないから信号機を設置しないと言っている、と、言うことを伝え聞いた。また、信号機を設置すると、かえって渋滞がひどくなるとも、伝え聞いた。横断歩行者を止めてまとめて渡らせて、クルマの通行量を増やす。これがどうして渋滞に拍車をかけるのだろうか…。うーん、ちょっとよく理解できない。

警察が言っているそれらが本当だとしたら渋滞に悩まされている観光客や事業者・住民は怒って大問題になると思う。日本中のすべての信号を撤去したほうが交通事故も渋滞も減るという論理になる。これらは、全て、伝え聞いたものなので、警察の交通の担当者に直接確認してみるつもりである。

いずれにせよ、行政を動かすには、交通工学に長けた専門家の調査による確証が必要であり、また、この道をよく利用する町民や横断歩道近隣の住民・事業者のコンセンサスを得ることも必要となってくるので、箱根町に期待したいし、応援したい。


箱根町は箱根町観光協会が中心になって数年前から渋滞解消のための様々な調査をしてくれている。最初のステップは実情調査と渋滞情報の発信だそうだ。ただ、渋滞情報に関しては以前よりGoogleマップで誰もが瞬時にわかることであるし、迂回路と言っても小田原方面とつなぐ道が少ない。箱根新道と旧道は一気に元箱根まで行かねばならないのであまり人気が無い。宮城野までの林道もあるが一般は通行禁止…。ターンパイクは有料道路だし、大観山まで行かないとならないが、もし無料になったらそちらへ流れるかもしれないな。いずれにせよ渋滞発生を承知のうえで観光客はやって来るので渋滞情報の発信は駅前の渋滞解消の決定打ではない。とはいえ、きちんとしたプロセスを踏んで進めることが行政を動かすうえで重要だということは自分も理解している。非常に多くの関係各所の意見を纏めるのは気が遠くなるほど大変だと思う。大感謝。

プレスリリースはコチラ


今年4月末に開通予定の県道731号(仙石原~南足柄)に期待したいところであるが、東名御殿場への138号線にも流れていないのでどうなのであろうか…。高い高速代払って東名に乗っても東名自体が海老名あたりから大渋滞になるのが目に見えているからだろう。時間帯をずらすにも、朝に来るのをやめて夕方に来てもらうことはできないし、帰りを20:00以降にしてもらうこともできない…。

繰り返しになるが、物理的に箱根湯本駅前通りの渋滞を解消する決め手は、やはり、押しボタン式信号機の設置しかない。このご時世なので感染防止の手をかざす式(?)の信号であれば、歩行者がいない時はクルマ側はずっと青信号なので渋滞発生の原因にはならない。

そのほか、大涌谷駐車場の渋滞や、元箱根の渋滞などもあるのだが、まずは観光客をスムーズに入れて、スムーズに帰ってもらうことが優先すべき課題だと思う。


・・・ この原稿を作成している最中に、小田原警察署から連絡が来た。 実はこの渋滞について町民としての質問を投げていたのである。

その回答は、テンション⤵な回答であった ∈(´Д`)∋アァ


信号機を設置すれば渋滞が解消することはわかっているが、歩道が狭くて歩行者を滞留させておくスペースが無いことが設置できない理由だと、国土交通省が結論づけているそうだ。

_| ̄|○


ギャフンと言った人をいまだかつて見たことが無いが、ギャフンと言う言葉が出そうになった。


観光客が本格的に戻って来たら、結構な数の歩行者が歩道を歩くことになる。歩道上で信号が青になるまで1分程度待つとなると、確かに待機者が通行者を遮ってしまうなー。

横断歩道の部分だけ歩道を広くするのではなく、数10メートルに渡って拡幅する必要があるとのこと。現状の歩道の幅は3mほどだが建物があるのでセットバックしないかぎり物理的に拡幅は無理…。

ん、待てよ、道路を50cmずつ狭くしたらどうだろうか。大型車同士のすれ違いが厳しい時は、歩道の縁石を切り下げて車輪がスムーズに乗り上げられるようにするのはどうだろうか? 

実際に滝通りの歩道がそのようになっていて、問題なく運用されているが、幹線道路では無理なのかなぁ。















信号機を設置できないとしたら、その他のアイディアとして、

①歩行者用地下道 … 出入口が狭くて無理か…。

②歩道橋の設置 …    これも歩道が狭いので物理的に無理かも。

③渋滞発生時間帯の横断歩道に誘導員を配置 … 人件費がかかるがいちばん現実的かも。OBの活用にもなるし。  

④信号機を設置しても、ボタンを押したら1分も待たせないで、15~30秒とかで渡れるようにしたらそんなに人が溜まらないのでは? …   これ、もしかして良いかも。人出の多い時に、信号機の代わりに人間が交通整理して実証実験をしてみれば結論が出る。国土交通省や警察はこの実験を過去にしたことがあるのだろうか?

【追記】今の技術なら、AIカメラで歩行者が何人滞留しているのか一発で感知できるので、滞留過多になったら歩行者用信号を青にするような設定は簡単にできる。

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本当に難しい問題であるな。

でも、できないことはないはずだ。


引き続き考えよう。