2023/11/11

GT40Mk1 就役 ★本日解禁★

本日の客人、俺。

長い道のりだったな...。

GT40Mk1。1960年代のレーシングカーは感性に語りかけるものがある。60年も前にこんなデザインのクルマがあったなんて。フロント、リア、サイド、V8縦置きミドシップ、スミスのメーターが並ぶマニアックなコクピット、右ハンドル右シフト。手前味噌だが、どこからどう観てもこんな素敵なデザインのクルマはない(個人の感想ですw)。カッコイイクルマってこういうコトだ。全高100cmと世界一低くて、世界一公道で乗りにくいクルマ。エンコすることも覚悟のうえ、自らカルマを背負い込んでみた(笑)。同額払うなら都内に小さいマンション買った方がいいとも言われるが、それじゃあ、たった1回限りの人生つまらない。生涯 中二病のクルクルパーだし。


1963年5月、買収提案を無下に蹴ったフェラーリをル·マン24時間レースで完膚なきまでに叩きのめすためにフォードは英国にフォード·アドバンスド·ビークルズ社 (FAV)を設立。FAVは同じ英国のコンストラクター、ローラ·カーズに開発を依頼し、ローラ·マーク6をベースに開発が始まった。エリック·ブロードレイによる端正でダイナミックなデザインだ。アメ車ではあるが生まれも育ちも英国なのである。結果、1966~69年まで4年連続優勝という偉業を成し遂げた伝説のマシンがGT40だ。
















この個体はERA製である。本家の流れを汲むよくできたSPFよりもオリジナルらしさは断然上である。SPFはなぜかオリジナルと顔が違う。目が吊り目なのだ。そしてフロントフェンダーが若干盛り上がっており全体に心なしかぼってりした印象。さらに内装の質感が現代車然とした素材で設えられており、60年代の香り(匂いも)が無い。そのほかにも細かい部分の現代化は致し方ないが、その違いが判るマニアなんてほぼ俺くらいなもんであろう。もちろんSPFは偉大なマシンでもあり故障の心配も少ないと思うが、俺は敢えて、もう生産していないERAを選んでよかったと思う。







そもそもERAは20年前に製造をやめているので世界的に生産数が少ないのだが、日本にはオリジナル同様の右ハンドル車4台(この個体も含む)、の棲息を把握している。当CAMPに来たこの個体は今年の2月に名古屋の知人の工場に整備に入っていたのはFBで知っていた。売ってくれないか打診してもらおうと思っていたがその頃は資金が不安で訊けなかった...。しかし、どうしても、今、手に入れないと一生後悔すると思い、ERAにターゲットを決めたのだ。そこで、別のERAを町田のSHELBYS NO.20にも見せてもらいに行ってきたが売る気は全くないとのこと。神戸に住む20年所有の友人にも打診したが同様。東京の知人のERAは売ってくれる約束をしていたが趣味の改造がまだ何年も続きそうで走行できるまでいつになるかわからない...。

そんな矢先、COBRA乗りの悪友からGT40が売りに出ている情報を聞き、HPを観たら、なんと名古屋の工場に入っていた個体ではないか! すぐ店に電話したところ、掲載したばかりなのに問い合わせがとても多く、希少車両なのでびた一文負けられないとのコトだったが、即、手付金を打ち、CAMP HAKONEのガレージに収まることになった。日本人、外国人からも相当問い合わせが入っていた。現車確認に伺って注文書を書いているときに、何本も問い合わせが入ってきていたのを目の当たりにして、早く決めてヨカッタと胸を撫でおろした。

この40は友人のクルマだったのでよく知っていたので観ずに決定。俺がCOBRA427に乗ってた20年前によく一緒にツーリングやらイベント、代官山カフェーミーティングなどで一緒に走った個体なのである。俺にとっては家に次ぐデカい買い物なので不安で心が揺らいだが、ここで逃したら一生の後悔になる。そもそもタマが無いのでもう二度とチャンスは来ない。ヤル時はヤルのだ!















剥がれやクラックがあった外装は全部やり直してあった。あとで公開するがチリ合わせも含めたほぼ全塗装だ。遠いペダルボックスを手前に移設するために取り出してみたらリンケージがケースに当たってて、なんと60%しかスロットルが開いてなかったのでノッチング加工して100%開くようにした。シートにスライドレール付けてポジション調整可能に。
















サイレンサーを当時通りの直管ヤンチャ仕様に。実は1ヶ月前に納車だったのだが乗って15分でヒーターコア抜けとヘッドガスケット抜けが同時に起きて工場に逆戻り。ヘッド開けてビックリ、ビッグバルブヘッドに交換されてて油圧ローラーロッカーにハイカムが入っていたものの、ピストンがノーマルで吸排気バルブ16本がピストンにブチ当たっていたコトが発覚!全ピストンが凹んでた。どうりで雑音混じりのサウンドだったわ。運良くバルブ曲がりは無し。結局OHすることに。GT350にも載ってるお宝Kコードエンジンなので載せ替えず使う。

650 CFM CLASSIC HOLLEY CARBURETOR
Electric Choke Vacuum Secondaries-4150
キャブレターはもともとついていたのはなぜかオートマ用のウェーバーのシングル。エアファンネルが8本そそり立つダウンドラフトはカッコいいけれど同調が難しいし、火が出る恐れもある。またとにかく燃費が悪い。なので、俺はシングルが好きだ。ル·マン24時間レースでもシングルキャブだったし。メカニカルではなく敢えてバキュームセカンダリーの650CFMで乗りやすくしてみた。エアコンオンでアイドルアップするソレノイドも追加。ピックアップがメチャメチャ良くなって下からのトルク感も増えた。


















オーバーヒートしないように、プッシュ側センターにエアコン コンデンサ用電動ファンを1基追加、エアコンオンでのアイドルアップ機構も追加、メインファンを85度でオートオンオフ機構に、そのほか数えきれないくらいの整備も済んだ。エンジンは雑音が消えてとても良いサウンドになった。そりゃそうだ、16箇所もバチバチ当たってたンだからな。コイツもコレを直して欲しくてすぐにグズってエンジンを開けさせたのだ。旧車には意思がある。でもまだまだ色々やらないとなー。



NACAダクトが普通にあるマシン♬

クラシックなフュエルポンプ2丁掛け


GT40には右ハンドル右シフトしか存在しない























2回目の納車。今度こそ。工場を出発の図。
 











ちなみに俺、もう1台持ってるんだぜ、GT40Mk2。バラバラになっちゃって書類だけだけど。あーあ。


夢は思い続ければ絶対に叶う!

協力してくれた方々にも大感謝です。

あ、ナンバーは、はこねの「は」だよ。 「湘南」は箱根じゃないので。



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