【バックデート投稿】
様々な不具合を改善して納車整備が完了した。スケジュール調整をしてあきる野市のマッスルカージャパンへGT40を引き取りに向かう。CAMP HAKONEからは交通の便が悪く、電車を乗り継いで4時間の道のりだ。当キャンプ前を通るバスの始発が08:47(遅っ!)なので早起きして強羅駅まで歩くことに。約20分、てくてくと、朝の凛とした空気を深呼吸しながら、やっと今日のこの日まで辿り着くことができた。いろいろあった過去がちらちらと蘇るが、蹴散らして、これからの楽しいことを考える。
強羅駅 07:43発 の箱根湯本行きの登山鉄道に乗車。運転士はかわいい女の子。なんかツイてるぞ♬
神山さんにあきる野駅まで迎えに来てもらい、ついにGT40とご対面~。簡単なブリーフィングを受け、いよいよ初めてのエンジン始動。無事に箱根まで辿りつけますように。
試乗もしていなかったのでステアリングを握るのは今回が初である。
今日は天候も良く、ぽかぽか陽気の納車日和。
スロットルレスポンスを確かめ、ZFのトランスミッションの癖も見極めつつ、恐る恐る走り始める。1速は左端に当てると入らないので軽く左に寄せて入れる。リバースは左端にカン!と当ててやると入る。2速以降は癖は無い。
40km/h程度で異音やステアリングやペダルの感じを確かめつつ慎重に。
SPFのレーシングカーには乗ったことがあるが、ERAは初めてなのである。
世界一低い車高の閉そく感にも慣れてきた。バンザイしても天井に手が届かないほど広いカングーとは違うけど(笑)
マッスルを出て15分経った頃、水温計が90度になったのでクーリングファンをオン。油温も暖まってきたので、イイ感じかな、と。
信号で停まった時、水温が100度に達しそう。あれ?大丈夫か…。なんか嫌な気がして右後ろのに目をやると湯気が上がっている。あ、オーバーヒートだ…。路地に突っ込んでエンジン停止。足もとをみるとクーラントが漏れてきている…。参ったなぁ...。今日はこれで、THE END。マジか…。
遅い時間に引き取りに来て、途中で止まった時のことを考えて明るいうちに帰れるように早く出てきたのが功を奏してしまった…。朝から、かわいい女の子運転士で浮かれてる場合じゃなかった。
神山さんに電話入れてゆっくりとマッスルまで戻ることに。途中、交差点の右折車線の先頭でエンストして再始動できず…。
ドア開けて屋根から手を振って後続車に避けて行ってもらうも、その後に来た軽がず~っとクラクション鳴らしてて、ミサイル発射したくなったワ。
その後、なんとか再始動できて脱出成功。
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下された診断は、ヒーターコア抜け → クーラント減る → オーバーヒート → ヘッドガスケット抜け、でした...。
ヘッドガスケット抜けはエクスパンションタンクから排ガスがボコッボコッと出てくることで確定。
オーバーヒートしてヘッドガスケットが抜けて、排気ガスがエンジンのウォータージャケットに回り、正圧がかかってエンジン内部が排ガスで満たされてクーラントが空っぽになったとのこと。
なるほど、納得。ヒーターコア抜け恐るべし。ヒーターコアは経年劣化でいつかは抜ける...。M1009の時も抜けて、冬だったので窓が真っ白けに曇ったっけ…。その時はヒーターコックを閉じたのでクーラント減りは防げたのだが、今回は気温が暖かかったから窓が曇らず気づかずに手遅れ…。
また4時間かけて帰るか...。と、思っていたら、なんと小田原から来てる常連さんが乗せてってくれるという。惨劇に見舞われながらも、ラッキー!
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ヘッドガスケット抜けということはヘッドを開けるというコト。今まで自分のクルマで開けたクルマはなかった。中学の時、自分でボアアップしたモンキーだけだw
結構な出費だろうな…。まぁ、でも仕方ない。これも運命…。
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翌々日、神山さんからLINEが来た。色々送ってくれる写真もここで使わせていただいている。状況がわかって本当に助かる。
エンジン前側にアクセスするには、車両裏側のボルトを外してシートを撤去しないとならない。リフトが欲しい~。
バルブカバーを開けると...
一度も開けてないからか、真っ黒で結構カーボンが溜まっている。
そして、重大な報告があった...。
吸排気バルブがピストンヘッドに当たってるというではないか!
そんなバカな...。
ふぉ~~~っ、確かに当たってる...。8気筒x2か所 ... 計16カ所が凹んでる。ビッグバルブなのにピストンがノーマルなのでバルブリセスが小さくて浅いからだ。
よく折れないでエンジンが廻っていたと思う。オイルリフトなのでピストンに押し戻されていたからだ。
マフラーを撤去してグラスパックの排気管ができた時に顔を出したので、排気音を聞くことができた。その時に、イマイチなんかスッキリしない感じがして、MSDを付けた方がいいかな、と、神山さんに相談したのである。静かなサイレンサーを撤去して直管になったので、吸排気バルブがバチバチ当たっていたのがノイズとなって不快音として聞こえていたからだ。まさか、バルブがピストンに当たってるなんて誰もが想像だにしなかった...。
これって、このGT40が出したSOSだったのではないかと思ってしまう。エンジン開けて中を診てくれよう!っていうサインだ。この機会を逃したら、誰も気づかないまま、またこの状態で過ごすことになるから。
こいつを受け取って15分20分でエンジンが悲鳴上げるっておかしくないかい。いつも言ってるけど、旧車って意思があるンだよ。歳をとればとるほどね。オカルトっぽいけど本当だ。
途中で神山さんが教えてくれたのだが、シリンダーブロックのキャスティングナンバーが C5AE -6015E の 65-67のHipoブロックだった。シェルビーGT350と同じKコードブロック。今じゃ入手困難な、お宝エンジンだったのでラッキー! 363に乗せ換えようとか考えていたのだが、これはこのままでイイ! そういえば、エンジンの素性を確かめてなかったス♬
バルブも曲がっていない。
こびりついたガスケットを剥がすのが一苦労。ありがとうございます。
さて、この問題をクリアする方法は次の3つが考えられた…。
①ヘッドもカムもノーマルに戻す
… せっかくビッグバルブにハイカムがはいってるので勿体ないし、つまらない
②ピストンをビッグバルブ用に交換
… 確かにベストなのだがエンジン降ろしての大仕事になる。コンロッド、ピストンピン、ピストンリングなども全交換。
③ピストンのリセスをハンドカットで拡大
…エンジン降ろさなくてよいが、どれだけ削るのか不明、ピストンに穴が開かないか、切削紛の処理が心配。でもイチかバチかでこの方法にした。
ピストンのリセスをどれくらいのサイズで、どれくらいの深さにすればよいのかを計測する。
まぁだいたい落ちればOK。
だいぶ綺麗になった。充分でしょ。
バルブラッピングも済んで組み上げられた。
ついに修理されたエンジンに火が入った。
ノイズが消えて静かになった!!ヽ(^o^)丿
これ知らずに乗ってたらどうしたのだろう。せっかく手に入れたアガリのクルマが大怪我してるのに気づかないままなんて、ありえへん。ヘッド開けて発見できてよかった~~~♬
神山さんがWeb検索したところ、米国内でほかにも同じようにヘッドだけ交換してバルブとピストンが当たってる事例が散見されたそうな。ヘッドの説明書きを読まない人がそれだけ多いというコトか...。
後述するが、これ以外にもキャブレター載せ替えのほか、気づかなかったいくつもの不具合が次々に発見された…。
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