2019/02/01

株式会社カマドに潜入♪


その筋の人ならみんな知ってる株式会社カマド。
俺は、箱根に移住後に近辺のクルマ屋さんを検索して初めて知ったのであるが(^^;)…。

行こう行こうと思っていたのだが、ガレージ建築や薪割り機ほかの作業が目白押しだったので延び延びになっていた。年末に社長さんにご挨拶メールを入れ、スケジュールを割いてもらって司令官とともに潜入してきたのである。

民間車検場を兼ねた整備工場や塗装ブースもある大規模な自動車販売店でちょっとびっくり。隣のガソリンスタンドまで所有してる。あ、写真撮り忘れた。

そして、カマドの左端にあるのが有名な『社長の小部屋』というプチ・ミリタリー博物館である。ここは現在閉館中で、近い将来に移転して防衛技術博物館としてリニューアルオープンする予定なのである。今回はちょっとしたコネクションがあったので特別に入館させていただいた。


足を踏み入れると、あー!ミュールじゃないの!これ欲しかったのですよぉ~♬ 















M274トラックは、米軍よりウィリスが開発を委託されて1957年に制式採用され、1970年代末まで生産された。ベトナム戦争の密林で物資を運搬するための小型軽量の車両で、空中投下などによる方法で戦地に投入された。総生産台数は11,240台だという。

聞けばこれ、デッドストックの新車。M274A5なので最後期モデルらしい。よく見ると、迷彩塗装の塗り分けの線が描かれているという貴重な個体である。8台まとめて仕入れたそうだ。

















CAMP HAKONE内の移動用にバッチリじゃないの。ナンバーも取れるから仙石原くらいなら買い出しにも行ける。司令官の何ほざいてんだという視線が…。





そして、コレ。初めて観た。

何かわかるかな?







ヒトラーの命令により、フェルディナンド・ポルシェ博士がビートルやキューベルに続いて設計したクルマ、Volkswagen Typ 166。 そう、シュビム・ワーゲンである。


これがあのスクリューだ!

80年前にクルマにスクリューなんてすげー発想。




















小学校の頃、タミヤの1/35プラモで米軍とドイツ軍のジオラマに登場してもらった以来の出会いである。

そうそう、コレ、4輪駆動なんだよなー。

















この車両、フロント右側に銃痕がある。大戦中、オランダで銃撃されてガソリンタンクに被弾。運良く出火せずにドイツ兵が乗り捨てたものを住民が納屋に移動させて保管されていた極上の個体である。ナチス統治下だったので隠したままで、気づけば現代になっていたのだという。


コクピットも軍用車然としたデザイン。米軍とはまたニュアンスが違うな。やっぱりポルシェ設計だからか。


カマドの小林雅彦社長はオタクとかマニアを突き抜けたような人。ありがちな変人でもないちゃんとした人で安心しました(失礼)。じゃなきゃあんなに手広く経営なんてできないし、様々な活動もできやしない。

ひとくちでは言えないが、プラモデル好きの子供がそのまま大きくなって実車の世界で活躍してるような人物です。自分もそのクチなので親近感を覚えましたw 小林さんは、ヨーロッパまで買い付けに行くなど、実際にホンモノに触れている豊富な経験に裏打ちされた知識があるからこそ書籍を何冊も出版しておられます。





これ、小林さんの著書です。本日、amazonでポチりました。

ポルシェの野戦乗用車 キューベル&シュビムワーゲン (メディアパルムック)






こちらは日本初の4輪駆動車のくろがね四起。愛知にあった朽ち果てる寸前(いや、朽ち果ててた)の車両を小林社長が申し出て自社でフルレストアしたもの。この前期型は世界に1台である。2016年にNHKが密着して完成までの様子を放送している。

へぇ~。日本にこんな四駆があったンだね。




そして、コレ。旧日本軍の九五式軽戦車だ。コレは劇用車のレプリカであるが、ミクロネシア連邦からサルベージされたオリジナル車両のレストア・プロジェクトが進行中なのである。

この個体は、テレビドラマ『ザ・パシフィック』で使用された1台。















なんでこの迷彩?って訊いたら、これがホンモノの迷彩色だという。派手な黄色いラインが入ることでジャングル内にいると、遠くの敵からはシルエットが分断されてさらに小さく見えるそうだ。なるほどー。


オリジナルの三菱製A6120VDe空冷ディーゼルエンジンを積んだ実働車は米国にただ1台現存するのだが日本には無い。そこで、ミクロネシア連邦からサルベージされた1台を、生まれ故郷の日本に里帰りさせようと、英国でレストア・プロジェクトが進行中なのだそうだ。その個体は日本に入ってある施設で展示されていたのだが、施設の閉館とともにある英国人の手に渡ってしまった。後年、その英国人から連絡が入ったのである(詳細は上記リンクをクリック)。


ゼロ戦などの航空機は飛ぶと絵になるが、戦車は華が無いから誰もやらない。それで自分がやるしかないということで、くろがね四起に続いてプロジェクトを進めているとのこと。

小林さんには軍国主義などの政治思想は無い。70~80年も前から日本には世界に誇れる技術力があったのに誰もそれを後世に残そうとしないから自分がやらないとならない、という思いでやっている。頭が下がるね。

私財もかなり投入してレストアを進めてきたのであるが、九五式軽戦車のレストアはさすがに個人ひとりではすべてを賄うことはできない。そこでクラウドファンディングで寄付を募って日本へ里帰りを実現させようと言うことだ。当CAMPの軍備費は底をついているのでこうしてプロモーションに協力することしかできない。小林さんが御殿場市に開設を目指す防衛技術博物館の開館日に間に合うと良いなぁ。

詳細はぜひこの動画を御覧ください。


クラウドファンディングの詳細はコチラ



次に敷地内のよく整理された広い整備工場の2階に誘われた。階段を昇るとそこはプライベートなレストア工場。ビジネスでは受けないそうだ。まったく割が合わないからだそうだ。

そこにはM274ミュールのレストアが進行中。















そしてレストアなった完成車も。 いいなぁ~~~。欲しい。M151A2の方が遠乗りできるけどさ。



















メカニックさんにエンジンを掛けてもらった。この個体はリコイルスターターだ。セル・モーターもオプションであるらしいけれど。水平対向空冷2気筒690ccの音色を初めて聞いた。 




そして、小林さんが入れ込んでいるのがこのデロリアン。めちゃ低走行で見るからに新車に近い世界的に観ても希少なコンディションだ。売らずに自分で乗りたいのだそうだが、そういうクルマに限ってすぐ買い手がついてしまうそうなw ま、得てしてそういうもんですよね。



















そのほかにもお宝があったのだが紹介しきれないのでこのへんで。

あ、あと、小林社長は自らレッカーを運転して降雪時など山中で動けなくなったクルマをレスキューに向かっている。昨夜深夜も大涌谷へ出動したそうだ。当CAMP前もよく通るンだって。大晦日もレッカー当番で待機してたり、なんかパワーがスゴイよ。また遊びに伺います~。





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